矢野経済研究所が下記のコールセンター市場とCRM市場に関するレポートを出した。
コールセンター/コンタクトセンター市場に関する調査結果 2008
テレマーケティング市場は、2006年度~2010年度は、年間平均成長率(CAGR)7.2%で推移、2010年度には、5,680億円に達すると予測する。
CRMソリューション市場も、2006年度~2010年度の年間平均成長率(CAGR)は6.8%で推移、2010年度には、5,220億円に達すると予測する。
~中略~
テレマーケティング市場規模は2007年度、年金記録問題への対応など“特需”の発生を受けて、前年度比10.5%増の4749億円を記録。
特にコールセンター業界では、【特需】という言葉がマイライン特需の時から使われているが、個人的には好きな言葉ではない。(矢野経済研究所の文章についてコメントしているわけではありません)
また、
近年、食品偽装事件やリコール問題など、消費者対応が問われる事件が相次いでいる。
というように、問題が発生したときに窓口として緊急設立するケースも多いが、そもそも社会問題が発生した時に潤う業界というのもなんとなく面白くない。あるコールセンターの経営者が、ある社会問題が発生して緊急にコールセンターを開設した話を僕にしたときに、【丸山さん、神風がふきました!】と言って売上増に喜んでいたのを思い出す。
そもそも業界としては、
第一に、消費者対応窓口の強化を進める企業が増加している点が指摘できる。
~中略~
第二に、企業がコアコンピタンスへの集中を強め、それ以外の業務をアウトソースする傾向にあることである。その結果、コールセンターもインハウスからアウトソーシングに切り替える企業が増加傾向にある。
~中略~ 以下はソリューション市場
第一に、マーケティングの主流がマスマーケティングからone-to-oneマーケティングへと移行したことで、消費者との直接窓口となるコンタクトセンターを戦略拠点として重視する企業の増加が挙げられる
第二に、通信網の発達により、企業は多様な状況下における多様なチャネルに対応する必要性が出てくると考えられる。
~中略~
第三に、世界では、コンタクトセンター市場が活況を呈しており、今後、日本でも同様な状況が起こることが期待できるためである。
というようなことが背景にあると書かれている。確かに【特需】分がマーケットサイズを大きくしているかもしれないが、そういう特需分ではなく、企業と顧客との関わり方や接し型が変わったり、経営のリソース配分の考え方が変わったり、インターネットなどと中心としたチャネル構造が変わったりする中で、コンタクトセンターの数が増え、マーケットが大きくなるというところに対して、何ができるかを考えていく必要があると思うし、僕らはそうしたい。
また、そういう拡大市場であればあるほど、IVRやセルフサービスなどの利便性が高く(良いものなら)、企業の応対コスト削減になるようなソリューションやサービスもテレママーケット以上に比率としては拡大していくのではないだろうか。
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問題が起こった企業や官公庁のコールセンターについては、問題を解決できずに、ただただ架電者に怒られる役割を実施するのではなく、問題を解決していくという大きなプロセスの中の一つの機能としてのコールセンターをやってみたい。
また、災害が起こったときに、業界が連携してボランティア・オペレーターを集め、ボランティアで空き設備を提供して対応するというのもあってもいいなとも思う。
特需と全く縁のない社長のぼやき。
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