昨晩、社内セミナーで当社の社員向けにセミナーをしました。その中で皆が頷いていた、【コールセンターのシステム(特に画面)設計】について書かせていただきます。
通常、コールセンターの顧客情報画面は、顧客の情報属性グループ毎に分割されることが殆どです。例えば、顧客基礎情報として住所や電話番号など、取引情報画面では過去の取引の詳細という具合です。理論的なグルーピングで項目を区分けしています。
しかし、実際の問合せ業務のトークフローは、その論理的グルーピングの単位で進みません。
数十年前に、アメリカのある企業のコールセンターの事例に次のような事例がありました。そこには数千名(1万人以上かも)のオペレーターさんが働いています。そこのベテランオペレーターさんに集ってもらい、【この項目さえあれば80%の問合せに即答できる】という項目を洗い出してくれと依頼したそうです。そして、その項目全てを1画面で表示する画面を作成したところ、数千名の生産性がグッと上がったそうです。
80%の問合せに回答するためには、もしそれが電話会社であれば、氏名は必要だが住所はいらない、半年分の通話料金は要らないが、先月の金額だけ最初の画面に出ていればまず回答できる。そういうことが多いのです。残りの20%は、通話料金履歴画面を見て、確認すべき部分を確認すればいいのです。
しかし、そういう【80%の問い合わせに即答できるスーパー1画面】は、エンジニアでは思いつきません。また、そこに表示されている項目は、ぱっと見理論的な規則性はありませんので、論理的思考で設計できるものではありません。
非論理的な側面、即ち現場の実際から導き出すしかないと思います。既存のコールセンターが走っているのであれば、現場から導き出し、これから新たにコールセンターを構築するのであれば、リアルな電話を想定して画面を非論理的な思考の中で検討することいいのではないでしょうか。
弊社では、上記のような理由から、業務とシステムはばらばらに設計(詳細設計)してはいけないと考えています。
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