コールセンターの業務やシステムを設計するとき、設計が網羅的かどうかが重要なポイントになりますが、どこまでをカバーしたら網羅的なのか?逆に、漏れている設計領域はどこが多いのでしょうか?
どこのセンターも業務としてFAQやスクリプトなどは作成します。
パフォーマンス管理業務として、品質管理の方法や生産性管理の手順、評価のやりかたなどをきちっと設計するコールセンターは少しすくなくなります。オペレーターの業務は設計しても、SVやマネジャーの業務は設計せず、運営中に属人的に業務が決まっていくというパターンは少なくありません。
さらに、細かいようですが、運営するSVの運営のための手順書は殆ど作成しないケースが多いと思います。例えば、シフト申請の取りまとめや個人個人との調整、残業して最後に退社する人がどのようなこと(戸締りなど)をしなければならないか、IDカードの紛失申請の手順は、土日祝日のSVの緊急連絡先は?、各種保険などの申請書類、日々発生する緊急周知事項(マニュアルに載らないもの)の過去の履歴管理や休んでいたSVへの情報徹底などなど・・・。
実際の現場は、最後に記述した運営するための事務・業務においても大変苦労しています。アウトソーサーは雛形を持っているかもしれませんが、インハウスのセンターを作る時には、受電業務以外の業務、特に運営する側の業務や手順などを整理し共有する仕組みを作っておくことで、逆に受電業務のマネジメントに集中できる環境が整うことにつながります。
コールセンターを企画する側や管理する側は、一度自社のSVに運営するための業務負荷についてヒアリングすることをお勧めします。営業部門の業務設計が、売ることだけでは網羅されないと同じで、コールセンターも電話をとるだけの業務設計では網羅されない領域が沢山あります。
最近のコメント