いろんなところで議論されていいるテーマです。ちょっと切り口を変えて考えてみます。
一言で投資といっても様々なレベルでの投資があります。
まず、コールセンターそのものを構築し運用するという投資は、事業全体に何らかの効果がなければなりません。ここでいう投資には、コールセンターの全ての投資がる含まれています。例えば、運用する人件費、システム、設備費、通信費など。(A投資とします)
そしてコールセンターにテクノロジーを導入するという投資は、コールセンターの運用面になんらかの効果がなければなりません。例えば、IVR、音声認識、CTI、CRM、ワークフォース管理、などの投資は、コールセンターの運用コストを下げたり、品質を上げる部分に効果がでなければなりません。(b投資とします)
b投資は、A投資の中に含まれています。また、b投資の目的は、Aの投資額をなるべく少なくするため(人件費を削減するなどの生産性向上等)に実施するパターンが一般的には多いでしょう。(売上やCS向上を目指すものはここには入りませんが)
ここに小さな落とし穴があるように感じています。b投資ばかり考えていると、そもそもの目的であるA投資の効果が大きくなるのか?ということです。A投資の投資対効果は、投資額を減らすか(b投資などにより)、A投資の効果を最大にするかのどちらかです。b投資ばかり考え、A投資の最大化を見落としているケースも少なくないでしょう。
ある村があるとします。時々発生する火事に対応するために、消防署(コールセンター投資=A投資)を作ったとします。火事が発生したら、拡大しないよう早く消火しなければなりません。ここでのA投資の目的を年間で火事で燃えてしまう面積の縮小化と設定します。
そのうち、火事場に早くいけるように、消防車を購入、早く火を消せるように化学消火器を購入となります。長くて遠くに飛ぶホースも用意し、いたるところに貯水槽を作ります。早く消すため、即ち消防署(員)の生産性をあげることが投資の目的(b投資)となります。
消防署の業務は高度化し、生産性と品質は高まりますが、火事は減りません。確かに効率化されますので、火事で焼失する面積は減りますが、火事の件数は減りません。
A投資の効果を最大にするためには、
火事の件数の減少 x 1件の火事での焼失面積の縮小化
であるわけで、件数の減少にも投資したほうがいいはずです。
と、少々こじつけではありますが、そんな落とし穴があるのではないかと思うわけです。
留意することは、投資対効果の領域(A投資かb投資か)を見極めることと、常に全体の投資(A投資)とその効果についてチェックすることでしょうか。
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