インターネットは当初、ゲームやアダルト関連のコンテンツの参照などを中心に発展しました。後に、ショッピング、情報検索、意見交換、コミュニティー、Newsの取得など活用の範囲も広がっていますし、活用する人も増加しました。
しかしながら、自分の周りを見ても、インターネットを使ってる?と聞けば、やっているよとは言うものの、その使い方の深さや目的には相当な開きがあります。
あるセグメントは、世界中の最新情報を日本のマスメディアやシンクタンクが入手し、翻訳して公開することを待たず、直接生の情報を得て、すぐに議論を始めるレベルで活用していますし、あるレベルはせいぜい自分の好きなブロガーの記事を楽しみに見ながら、時々電車経路の検索などポータルサイトに訪問する程度と言う人が実際には多いのではないでしょうか。
極端に言えば余暇のチャネルが増えた程度のインパクトのレベル(レベルA)から、自分自身の趣味や仕事の領域において、価値を創造していくプロセスが激変したというレベル(レベルX)まであるわけです。
そして価値創出のプロセスや思考判断の仕方が激変したという人が感じているインパクトの意味は、余暇のチャネルが増えたという人には想像がつきません。
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社内SNSや社内ブログなどについて言うと、前述のレベルAの人たちからすれば、なんで社員同士で趣味の話をして意味があるの?ぐらいの話かもしれません。
しかしレベルXの人たちは、WikiやSocialtextに代表されるツールを使えば、組織内の議論やコミュニケーションの仕方、更には働き方が激変できる、ネットのレベルXの人達と同じようにある企業の社員がコミュニケーションをとり、議論をし判断をしたとしたら、そうでない企業を大きく引き離せるなんて当たり前じゃん程度に想像しているわけです。
社員ではなく、経営者側も同じです。経営者側がもしそういうインパクトについて気がついていなかったら、過去インターネットに出遅れた企業と同じように、社内コミュニケーションや社員の議論や判断のプロセスの変革、あるいは組織のスピード形成に大きく出遅れる可能性があるかもしれません。
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インターネットがそうであったように、当初は難しいことではなく、遊びや趣味のチャネルが増えた程度の感覚で社内のツールも導入するのがいいでしょう。単純にユーザー数を増やして、チャネルとして認知させ、そうしているうちにその中でレベルXが少々起きてくる。そんな成長が普通だと思います。
いきなりレベルXで仕事を始めるベンチャー企業も多く存在していますが、彼らはネットにおいてそもそもレベルXであったり、ネットネイティブの世代です。現在存在している日本の企業の構成員の殆どは僕も含めてレベルAの人たちでしょう。レベルAはいきなりグループウェアを使い始めません。ひそひそ話でSkypeのチャットを使ったりするんです。しかしその中で意味があることも少し気づいたりするんです。
そのあたりも考えておかなければ、なかなかツールの導入や浸透は難しいものだと感じています。
自分の社内では、いろいろと啓蒙していこうと思っています。
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注意点は、これはあくまでツールの話です。また魔法のツールの話でもありません。
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