今日の松下幸之助さんの一日一話は、『人間疎外』でした。以下引用します。
*******
現代文明における、科学技術の発達によって人間が軽視され、忘れられているということが問題になっています。そういった人間疎外をなくすためには、常に人間の幸せということが前提にされなくてはなりません。「なぜこういう新しい機械を造るか」「それは人間の幸せのためである」ということがいつも考えられ、それに基づく配慮がなされるならば、どんな機械が生み出され使われても人間疎外は起こらないと思います。
現実に人間疎外のような観を呈しているのは、機械が人間を疎外しているのではなく、人間自身が人間を大事にせず、人間疎外を生んでいるものではないでしょうか。
**********
IT化社会の中で我々の仕事のドメインであるコールセンターも様々な領域でシステム化が進んでいます。
- オペレーターの生産性や品質を管理するシステム
- 自動的にシステムがクロスセル・アップセルのリコメンドを表示するシステム
- 音声を認識し音声で自動回答するシステム
などなど。
我々バーチャレクスグループもコールセンターのITソリューション作りには力を入れています。
しかしシステム化が完璧であればコールセンターはうまくいくということはありません。どんんなにシステム化しても最後にオペレーターさんという人の部分が無くなるわけではありません。
品質も高く生産性も高いコールセンターの特徴は、<人>を大事にしています。そしてその<人>が素晴らしいパフォーマンスを発揮しているのです。
こういうセンターはシステム投資をしていない訳ではありません。人を信頼しないからシステムでやらせるという発想ではなく、人でしかできない重要な仕事をやってもらうために、人でなくてもできるタスクや機械のほうが得意そうなタスクをシステム化しているのではないでしょうか。
人をコストだとしか見ない場合は、機械でやらせようと考えるかもしれませんが、人を重視した上でのシステム化という考え方で進めば、システムを上手に使って人が更に生産性と品質を高めるという結果につながるものと思います。
どんなにシステム化しても、人の心まではシステム化できませんし、システム化の先に必ず残るものが人の心だと思います。
最近のコメント