先週末は少年サッカーの練習はじめでした。グランドにつくと10人以上の選手がリフティングの新記録が出たというので、それぞれ記録して一人ひとりほめてあげました。
サッカーの技術論で言うとリフティングがサッカーの上達に最も効率的か?という意見はありますが、今日はその技術論ではなく、少年少女の育成・成長という観点で意味があるということについて書いてみます。
リフティングは最初2回とか3回しかできません。言ってみればボールが落ちるまでに触れる回数です。低学年の選手やあまりスポーツが得意ではない選手は全く面白くありません。ほとんどの選手が、「俺はできなんだよ」とか「俺は得意じゃないからやらない」などと言います。
スポーツやゲームでは、子供は勝つことでモチベーションがあがります。時には大人はわざと負けてあげたりすることもあるでしょう。勝った、すごい!、俺やるじゃんという気持ちがモチベーションに繋がるわけですが、リフティングはそうはいきません。最初が一番つまらないんです。最初の壁が一番高く、しかもしれは周りが手助けしてあげることができません。
しかし、最初の壁を乗り越えると、次々と新記録が出ます。それは誰にやってもらったわけではなく、自分が必至でボールに触り、何度も何度も失敗して、そのうち小さなコツをつかみ記録がでる。そしてモチベーションを自己発電する。その繰り返しになるのです。自分自身が一番苦しい壁を乗り越えたことを自覚するのです。(ちょっと大げさですが)
その達成感は、もしかすると子供が初めて自分の力で無理そうだと思う壁を乗り越える。それが数字という結果につながるという初めての経験かもしれません。僕はその経験をさせることがその子の成長の手助けになるのではないかと考えています。
そうい達成感を得られるストーリーを自分で作らせたい思いで、記録をとってあげるから頑張れ!と声をかけ、約2年前から始めました。回数が増えない子供には、「回数は増えてないけど蹴り方は大分よくなったから、そのまま頑張れば記録はでるよ!」とか「知ってる?メッシだって最初は3回だぞ!」などと声をかけながら、記録がでると結果の数字ではなく、数字を出したプロセス・その努力を誉めてあげることにしています。ちなみにリフティングは全体練習ではほとんどやりません。自主トレメニューなので練習が無い日に自分で公園などでやっているようです。
今4年生ですが、一年前(3年生の時)は10回できなかった選手が100回を超えています。そういう選手が沢山います。それはそうですよね。自己発電が始まってるわけですから。やはり最初の壁を乗り越えてからはものすごく速いスピードで上達します。
練習終了時には、「沢山の選手の記録が出たね。やればやっただけ自分の結果に帰ってくるだろう!勉強も一緒、サッカーも一緒。寝て起きたら上手になっていることなんてないけど、一生懸命やればやっただけ自分に帰ってくるからな」などとエラそうに話して新年初の練習を終わりにしました。
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